研究課題/領域番号 |
09671264
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
石橋 宏之 愛知医科大学, 医学部, 講師 (10257660)
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研究分担者 |
飛田 研二 金沢医科大学, 医学部, 講師 (00288531)
清田 義治 愛知医科大学, 医学部, 助手 (30298591)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 血管吻合 / 端側吻合 / 壁ずり応力 / 吻合部内膜肥厚 / 下肢血行再建術 / 晩期グラフト閉塞 / 血管壁再構築 |
研究概要 |
下肢血行再建術後の血管吻合部内膜肥厚の成因を、端側吻合部の局所壁ずり応力計測と、吻合部内膜肥厚の免疫組織学的検討の両面から解析し、壁ずり応力が血管壁再構築に及ぼす影響を検討した。 1、血管端側吻合部の局所壁ずり応力測定 ウサギ総頚動脈に端側吻合術を施行した。これを基に紫外線透過モノマー性血流解析鋳型を作成し、photochromic dye法で吻合部局所の壁ずり応力を測定した。局所壁ずり応力は、平均流量ではroof、近位floorが0〜1dyne/cm2と低値で、最高流量では最高流速点はfloor側に、stagnation点は末梢側に偏位した。近位floorの壁ずり応力は-1〜-3dyne/cm2で、遠位は16〜29dyne/cm2と高値であった。 2、吻合部内膜肥厚の免疫組織学的検討 端側吻合後一週間を経たウサギにBrdUを投与し、免疫組織染色法を用いて吻合部の細胞分裂頻度を測定した。BrdU陽性細胞は、端側吻合のhood・toe側は流入血管が10%、toeを越え、流出血管が5〜8%であった。盲端・floor側は流入血管が6〜9%、盲端内で4〜9%であった。端側吻合のfloor末梢(toe反対側)が16%と局所的に高く、ここを越えた流出血管は2〜4%であった。 上記2実験から検討すると、BrdU陽性細胞が局所的に高かったtoe対側のfloorは内膜肥厚好発部位の一つで、流体力学的にはstagnation点に相当する。ここは平均壁ずり応力は低く、拍動流でstagnation点が前後に移動し、壁ずり応力が正から負の値に急激に変化する中心である。これがfloor intimal hyperplasia発生と密接に関連していることが示唆された。
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