研究概要 |
p16^<INK4a>発現アデノウイルスベクターの作製と発現の確認(In vitro) 昨年は開始コドン前約10塩基、終止コドン後約30塩基をつける形で組み込むべきp16^<INK4>cDNA(0.8kb)をPCRによりcloningし、これをコスミッドカセットDNAのSwa-1siteにIn vitro pachagc法により組み込み、さらに、これをEco T22Iにて切断された親アデノウィルスと293細胞にco-transfectし、組換えウィルスを分離しp16^<INK4a>発現アデノウイルスベクターを作製した。またp16^<INK4a>遺伝子のhomozygous deletion が確認された膵癌培養細胞(MIAPaca-2)において、上記の発現ベクターによる遺伝子導入によりp16^<INK4a> mRNAの高度の発現がNorthern Blot Hybridizationにより確認できたことを報告した。本年度はさらにWestern Blot Hybridizationを行ったが、実際に上記の遺伝子導入によりMIAPaca-2においてp16^<INK4a>遺伝子のタンパクレベルの発現が見られることを確認し、さらにその細胞においてアポトーシスが誘導されることも確認した。 p16^<INK4a>発現による膵癌、食道癌細胞増殖抑制効果 昨年は遺伝子導入によりp16^<INK4a>発現が確認された膵癌培養細胞(MIAPaca-2)はコントロール(MIAPaca-2)細胞に比較し、その細胞増殖は有意に抑制されることを確認したが、本年度さらに食道癌細胞(TT,TTn)において細胞増殖抑制効果を検討した。しかし膵癌細胞と異なり、有意な細胞増殖抑制効果は見られなかった。現在その要因につき検討中である。
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