研究概要 |
食道癌細胞株を使用して、p53遺伝子p16遺伝子の異常を検索し、p53遺伝子治療の感受性を検討した。 (1)使用した食道癌細胞株は、TTn,TE-1,TE-2,TE-3,TE-6,TE-9,TE-10,TE-11,TE-13,ECGI-10である。 (2)p53遺伝子異常について、従来hot spot といわれているexon5-8以外にも変異がある可能性があるのでexon2-11について再度検索した。その結果、TTn,TE-1,TE-13,ECGI-10においてp53遺伝子異常を認めた。 (3)p16遺伝子異常について、exon2をPCRにて増幅しその欠失の有無を検索した。その結果、TE-10,TE-11,TE-13,ECGI-10において欠失を認めた。 (4)ヌードマウス可移植性を検討した。TTn及びECGI-10のみが、pretreatmentなしに移植可能であった。2週間で長径10mmの腫瘍えお形成した。TE-2はcyclophosphamideのpretreatmentにより、移植可能であった。 (5)野生型p53組み替えアデノウイルスベクターを調整した。in vitroでの感受性試験の結果、ECGI-10で、良好な治療効果を認めた。 TTn及びTE-2では、治療効果は弱かった。
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