研究概要 |
1。当科でヌードマウスに継代中のヒト胃MT-2,-5,大腸癌株TK-4,13の同所移植(大腸癌,内分泌腫瘍;盲腸縫着、胃癌;胃壁縫着)による肝転移モデルを作製した.このモデルにより安定しており、全ての系において一定した比率の肝転移が得られている. 2。これらの癌株の腫瘍組織におけるVEGFmRNAの発現と組織中VEGFの定量をおこない,いずれの腫瘍においてもVEGF mRNA,VEGF proteinが産生されていることが明らかとなった. 3。VEGF中和抗体100μg/mouse隔日投与により,MT-2-5,TK-4,13いずれの腫瘍に対しても有意な腫瘍増殖抑制効果および肝転移抑制効果が観察された(投稿中). 4。VEGF投与による副作用を体重変化,脾重量で評価したが,対照群との間に全くに差を認めなかった. 以上本年度の研究成果により、VEGF中和抗体が優れた消化器癌治療剤となることが示された. なおこれらの結果は,がん転移研究会,日本外科学会,日本癌学会(いずれもシンポジウム)などの学会で発表し,現在英文論文2編が投稿中,2編が投稿準備中である.
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