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1998 年度 実績報告書

消化器癌の癌化における細胞間密接結合の変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09671303
研究機関大阪大学

研究代表者

井上 雅智  大阪大学, 医学部, 助手 (80232560)

研究分担者 土岐 祐一郎  大阪大学, 医学部, 助手 (20291445)
矢野 雅彦  大阪大学, 医学部, 助手 (70273646)
辻中 利政  大阪大学, 医学部, 講師 (40188545)
塩崎 均  大阪大学, 医学部, 助教授 (70144475)
キーワードTight junction / オクルディン / ZO-1 / 癌 / 消化管 / 分化
研究概要

我々は"細胞間接着と消化器癌の特性"をテーマとし研究を進めてきた。これまでにadhearencejunctionに存在し、細胞間接着に重要な機能を果たしているE-Cadherinと消化器癌の転移・浸潤との相関を明らかにしてきた。今回の研究は、もう一つの細胞間接着部位Tightjunction (以下TJ)に着眼し、消化管とその癌組織において、この度新しく同定されたTJ関連膜貫通蛋白質であるオクルディンとその裏打ちタンパク質であるZO-1の発現を調べ、消化管の癌化におけるTJ関連タンパク質の変化と役割について検討した。
【対象と方法】 当科にて外科的切除を行った胃癌19例、大腸癌12例、食道癌3例の新鮮凍結標本を対象とし、抗ヒトオクルディン抗体、抗ZO-1抗体(京都大学月田承一郎教授により供与)を一次抗体として免疫組織染色を行い、臨床病理因子とオクルディン、ZO-1の発現性の関係を検討した。
【結果】 単層円柱上皮を持つ胃、小腸、大腸の正常上皮では、オクルディンは管腔側に発現がみられ、その局在はZO-1と一致していた。重層扁平上皮を持つ食道の正常上皮では、オクルディンの発現はみられず、ZO-1のみ発現がみられた。胃癌、大腸癌では、腺腔を形成する管腔側にオクルディン、ZO-1の発現がみられたが、発現は正常上皮と比べて低下していて、組織学的分化度の低下と両者の発現の低下に有意な相関がみられた。オクルディンとZO-1の発現性の比較では、多くの症例で一致していた。
【総括】 以上より、TJ関連蛋白質であるオクルデイン、ZO-1は、消化管の腺腔の形成に関わり、消化管の腺癌の分化に関与している可能性があることが判明した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Gofuku J.: "Expression of E-cadherin and α-catenin in patients with colorectal carcinoma. Correlation with cancer invasion and metastasis." Am.J.Clin.Pathol. 111. 29-37 (1999)

  • [文献書誌] Takayama T.: "Abberant expression and phosphrylation of β-catenin in human colorectal cancer." British J Cancer. 77. 605-613 (1998)

  • [文献書誌] Gofuku J.: "Characterization of soluble E-cadherin as a disease marker in gastric cancer patients." British J Cancer. 78. 1095-1011 (1998)

  • [文献書誌] Shamma A.: "Effect of cyclin D1 and associated proteins on proliferation of esophageal squamous cell carcinoma." lnt.J.Oncol.13. 455-460 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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