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1997 年度 実績報告書

アポトーシス関連遺伝子を用いた癌遺伝子治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09671304
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

清水 重臣  大阪大学, 医学部, 助手 (70271020)

研究分担者 上池 渉  大阪大学, 医学部, 助教授 (40152847)
恵口 豊  大阪大学, 医学部, 助教授 (20243206)
キーワードアポトーシス / yama / cpp32 / Bcl-2
研究概要

我々は癌に対する新たな遺伝子治療として、アポトーシス実行機構の最下流に位置するyama/cpp32遺伝子を癌に高発現させ、加えて低容量の抗癌剤を投与することにより、正常細胞の障害を少なく強い抗腫瘍効果を得るシステムを検討している。現在までに、1、遺伝子導入法としてはadenovirusが最も効率が良いこと(HVJ virus,cationic liposome等と比較して)、2、cell lineを用いた実験おいて、yama/cpp32遺伝子導入そのものでは細胞死を誘導しないものの、低容量の抗癌剤を追加投与することにより強力な細胞死誘導効果を発揮すること、3、肝癌モデルラットにおいて、yama/cpp32遺伝子導入3日後に低容量の抗癌剤を投与することにより、細胞死が惹起され腫瘍径が縮小すること、4、抗アポトーシス作用を有するBcl-2蛋白が過剰発現している癌ではyama/cpp32遺伝子導入効果が薄いことが判明した。従って、Bcl-2蛋白が過剰発現している癌を除いてはほぼ全ての癌において、本遺伝子治療法が極めて有効であると考えられた。
現在は、yama/cpp32遺伝子導入に加えて放射線治療、免疫治療の補助に追いても癌縮小効果が得られるか否かを検討している。また、Bcl-2蛋白が過剰発現している癌においてもyama/cpp32遺伝子導入が得られるように、Bcl-2の抗アポトーシス効果のメカニズムを検討しているところである。また、癌性腹膜炎等の固形腫瘍以外にも応用しうるか否か検討中である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] M.Ohtsu: "Inhibition of apoptosis by an actin-regulatory protein gelsolin" EMBO Journal. 16. 4650-4656 (1997)

  • [文献書誌] K.Yamabe: "Prevention of hypoxic liver cell necrosis by in vivo human bcl-2 gene transfection" Biochem.Biophys.Res.Commun.243. 217-223 (1997)

  • [文献書誌] S.Shimuzu: "Bcl-2 prevents mitochondrial potential loss by regulating ion flux" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 95. 1455-1459 (1998)

  • [文献書誌] H.Tanabe: "Death-signaling cascade in mouse cerebellar granule neurons" Eur.J.Neurosci.in press (1998)

  • [文献書誌] 清水重臣: "Bcl-2ファミリーとICEファミリープロテアーゼによる細胞死の制御" 箱根シンポジウム. 7. 2-8 (1997)

  • [文献書誌] 清水重臣: "アポトーシスの分子機構" 生化学. 14-21 (1997)

  • [文献書誌] 清水重臣: "アポトーシス研究の新展開" bcl-2によるアポトーシス抑制機構, 5 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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