| 研究概要 |
申請者らは、Gastrointestinal Stromal Tumor(GIST)の症例約100例をretrospective and prospectiveに集め、免疫組織染色により各腫瘍に於ける細胞分化マーカー(c-kit,vimentin,desmin,a-smooth muscle actin,S-100,CD34)の発現状況を検索し、約80%の腫瘍がc-kitを異常発現していた。これらc-kit陽性腫瘍は特異的に血液幹細胞やCajal細胞のマーカーであるCD34 vimentinを発現し、平滑筋や神経原性細胞のマーカーであるdesmin,α-smooth muscle actin,S-100は陰性であった。GISTに於けるc-kitの発現は免疫組織染色のみならず、in situ Hybridization, Western Blotting,Northen Blottingにても確認され、消化管の上皮性腫瘍や癌には発現していなかった。Prospectiveに集めた5例のGISTよりmRNAを抽出しc-kitのmutationを検索したところ、全例Exon11にgain-of-functionの変異を認めた。この変異は、c-kitの恒常的活性化を起こすだけでなく、変異c-kitをtransfectionした細胞に自己増殖能を付与し、nude mouseにこの細胞を移植すると腫瘍を形成した。 現在、retrospectiveに集めた約100例のGIST症例を用い、変異c-kitの存在と再発予後悪性度との関連を臨床的に検討しているが、c-kitの変異はExon11のCodon550-560の間に集中し、c-kit変異の存在する症例は悪性度再発率が高く、予後は不良である。 さらに、我々は、multiple GISTの多発する家系を発見し、この家系の中でGISTを発生している患者さんではgermlineにc-kit変異を確認しており、現在この一族の方々のご協力の下に、c-kitのGIST発生に果たす役割を明らかにしつつある。
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