臨床例では、ヘパリン刺激後の血中ジアミンオキシダーゼ(DAO)活性の測定を行い、腸粘膜integrityと血中サイトカイン(IL-6)との負の相関を認め、現在報告準備中である。また、術後早期の外科栄養法として高カロリー輸液と経腸栄養の比較を行った結果では、経腸栄養法が腸粘膜integrityを改善する結果を得、現在報告準備中である。 腸粘膜の極性を持った培養細胞Caco2を用いたin vitro実験では、基礎実験がほぼ完了し、超微形態学の観察が可能となり、また、非侵襲の大腸菌を用いたin vitroでのbacterial translocationの測定が可能となり、現在実験を続行中である。現時点では、培地中のIL-6がdirectに腸粘膜DAO活性の低下を生じ、かつ腸粘膜permeabilityの亢進を生じるという臨床結果をサポートする結果を見い出し、さらにその機序の検討を行っている。
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