研究概要 |
マウス組織におけるIV型コラーゲンα鎖の発現様式を調べる課程で、次のような知見を得た。ヒト膀胱及び子宮平滑筋基底膜の免疫組織化学実験の結果から、我々は平滑筋細胞周囲基底膜にはα1(IV),α2(IV),α5(IV),α6(IV)のα鎖が発現すると考えていた。消化管の平滑筋における各α鎖発現を調べたところ、マウス胃底部ではこの発現様式を示したものの、マウス胃幽門部側以下、小腸、大腸の平滑筋にはα1(IV),α2(IV)の発現しかみられなかった。血管においても、一部(大動脈など)の平滑筋にのみα5(IV),α6(IV)鎖が発現している結果となった。これらの結果を総括して考えると、物理的圧力または張力がかかる管状組織の平滑筋基底膜における特徴的なα5(IV),α6(IV)鎖の発現はその機能に関係していると推測できる。この結果はHistchem,and Cell Biol.誌(1998,110,359-366.)に掲載された。 AS+DLモデルマウス作製および解析 ヒトAS+DL患者のCOL4A5/COL4A6遺伝子上流欠失ゲノムクローンのトランスジェニックマウスを作製し、co14a6ノックアウトマウスと掛け合わせる実験を行った。ヒトにみられた表現型が再現できるか注目した。第2イントロン中の第3の遺伝子の存在とそのdeletionによるドミナントネガティブな影響がみられる可能性がある。 ヒトCOL4A6第2イントロンに存在する遺伝子の検索 イントロン2をカバーするBACコンティグを作製しエキソントラップを行い新規エキソン6つを単離した。これらのクローンを用い、食道等のcDNAライブラリーのスクリーニング・ノザンブロット等を行い発現臓器の検討した。
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