研究概要 |
1.膵切除後の肝組織中サイトカイン濃度の変動 雄性balb/cマウスを全身麻酔下に開腹し,膵体尾部を切除した.術後経時的に肝組織を採取し,ホモジネート上清中のtumor necrosis factor α(TNFα),interleukin(IL)1βとIL6の濃度(pg/mg protein)をenzyme-linked immunosorbent assay法で測定した.TNFαとIL1βは各々術前値0.89±0.17と2.92±1.44であったが,術後も有意の変動を示さなかった.一方,IL6は術前4.11±3.39から術後1時間の時点で10.09±2.36へと有意に増加し,術後6時間・24時間の時点においても有意な増加が持続していた. 2.E-selectin(ELAM-1)mRNAの発現 凍結肝組織よりAGPC法でRNAを抽出した.分光光度計での計測では,純度の高いRNAが得られた. マウスのE-selectin遺伝子配列より,F1:5'-AATGCCTCGCGCTTTCTCTC-3',R1:5'-AGTCTTTGGTTCGTTGGATGTAA-3',F2:5'-AGAGAGCACAGCTTGGTACTA-3',R2:5'-CACCTGGAGCCCAGTTCTGAGC-3'と設定し,オリゴプライマーを作成した.今後,肝組織より得られたRNAを資料とし,RT-PCR法でE-selectin mRNAの発現を検討する予定である.
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