研究概要 |
liver denervationが肝微小循環におよぼす影響を検討するため、基礎的研究としてラットを用いliver denervationを行い、虚血再環流モデルを作成しエンドトキシン等を投与した際の肝微小循環、類洞機能、接着因子等の出現の有無をみた。さらに我々の開発したラットHepatic vascular exclusion(HVE)modelや肝移植モデルおよび肝に大網を充填したモデルにて同様の検討を行う。また末梢循環改善剤や抗接着因子抗体等の投与を行い、肝微小循環や肝障害における効果をみた。 平成10年度はラット虚血再環流実験群において肝虚血前にエンドトキシンを投与し、肝障害モデルを作成し、平成9年度と同様の検討を行った。これらの結果を基に実際の臨床に即するように我々の開発したラットHVEモデルおよび肝移植モデルにて次のような検討(経時的な肝微小循環(レーザー血流計、in vivo mciroscopy,Doppler transit time血流計による肝動脈、門脈血流量測定)肝マクロファージからのフリーラジカル、TNF,IL-1産生、肝組織NO値(近赤外分光法によるNO-Hb量)、肝におけるHeat shock proteinの発現、血液生化学検査、類洞内皮細胞機能(血中ヒアルロン酸値)、肝組織での接着因子の出現(ICAM-1,LFA-1))を行った。その結果liver denervationを行っている肝に大網を充填したモデルでは大網より肝動脈血が流入し、3-7PODには本来の肝動脈血の半分近い血流量が確保されることが確認された。
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