研究課題/領域番号 |
09671316
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
串畑 史樹 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (70284396)
|
研究分担者 |
松田 正司 愛媛大学, 医学部, 教授 (40173843)
小林 展章 愛媛大学, 医学部, 教授 (60135564)
|
キーワード | 肝再生 / 6FGF / Growth factor / 免疫組織化学 / 肝切除 |
研究概要 |
【背景と目的】肝細胞の増殖には、主に肝細胞増殖因子(HGF)が関与し、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)はほとんど無効であるという培養系での報告が多い。しかし、肝癌組織及び再生肝に多量のbFGFが含まれていることがイムノブロットを用いて報告されている(Prestaら1989年、Brigstokら1991年)ことから、bFGFが肝再生あるいは肝細胞増殖に重要な働きを持つ可能性が高いと考えられる。そこで、bFGFの再生肝における作用を明らかにするために検討を加えた。 【方法】肝細胞の分裂・増殖が活発な再生肝のモデルを用い、以下の如く検討した。 1)bFGFの変化:肝切除後の時間経過に沿って、免疫組織化学及び核分画のイムノブロット、ELISAを用いて調べる。 2)bFGF受容体の変化:各時期のbFGF受容体の変化を125I-bFGFを用いたオートラジオグラフィー、受容体結合実験及びbFGF受容体のmRNAに対するin situ hybridizationにより調べる。 3)周術期におけるbFGFの関与:ヒト各種肝切除の術中および術後早期における血中bFGF濃度をELISAを用いて測定し、臨床検討する。 【結果】bFGF特に、高分子量型bFGFが肝細胞の分裂、増殖期に発現が認められ、基礎的にはbFGFの機能、特に核内における働きを示唆する新たな形態的結果が得られ投稿した。臨床的には、肝切除術における新しいパラメーターとしての可能性を探る目的で周術期における蛋白レベルでの変化を検討したが、肝切除術に伴う明らかな特異的変動は認められなかった。
|