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1997 年度 実績報告書

先天性胆道疾患の発生機序ならびに胆嚢癌増殖・進展形態調節機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09671322
研究種目

基盤研究(C)

研究機関佐賀医科大学

研究代表者

宮崎 耕治  佐賀医科大学, 医学部, 教授 (30159173)

研究分担者 森 倫人  佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20264161)
北島 吉彦  佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30234256)
キーワード胆嚢癌株細胞 / 増殖因子 / 形態形成 / 接着因子
研究概要

1.胆嚢癌株細胞に対するペプチド成長因子の形態形成作用.
我々が樹立した胆嚢癌株細胞GB-d1と,先に分与を受けたKMG-C(久留米大学第1病理学),GBK-1(熊本大学第2外科),G-415(筑波大学内科)それぞれについてコラーゲンゲル内浮遊培養を行い,各種ペプチド成長因子(HGF,EGF,TGF-β1)の形態形成作用について観察した.GB-d1は主として球状嚢胞形態を,KMG-Cは充実性球状細胞塊形態を示し,いずれも非浸潤性膨張性発育形態を示した.対してGBK-1は放射状分枝形態で,G-415は細胞質が樹枝状に伸展した形でゲル内に浸潤性に発育した.EGF,HGFはGB-d1,GBK-1の分枝状管状形態形成,G-415の細胞質の樹枝状伸展を促進したが,KMG-Cでは細胞塊構造の形態そのものには作用が乏しく細胞のゲル表面への遊出傾向を促進するのみであった.TGF-β1は形態形成抑作用を示す傾向にあり,特にGB-d1とGBK-1細胞はその生育が妨げられた.
2.胆嚢癌株細胞の接着因子発現と形態形成.
1で明きらかにしたペプチド成長因子の作用の株細胞種による差異にはその接着因子(E-カドヘリン-カテニン複合体,インテグリンなど)の発現,機能が関与している可能性を考えた.各株細胞よりタンパクを抽出し,ウェスタン・ブロット法でE-カドヘリン,α-カテニンの発現を観察した.その結果,非浸潤性発育を示したGB-d1とKMG-Cでは両者の発現が確認され,浸潤性発育を示したGBK-1とG-415ではα-カテニンの発現は見られたが,E-カドヘリンの発現は見られなかった.
3.以上により株細胞のゲル内における浸潤性形態にはE-カドヘリンの機能低下や欠失が関与している可能性が示唆された.さらに,EGF,HGFが促進する管状・樹枝状形態との関連も考えられた.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Yamada et.al.: "Ultrastructural demonstration of mast cells in varicose veins of lower limbs:presence of mast cell-mediated mechanism." J.Cardiovasc.Surg.38. 443-446 (1997)

  • [文献書誌] E.Sasatomi et.al.: "Polypoid adenomyoma of the gallbladder." J.Gastroenterol.32. 704-707 (1997)

  • [文献書誌] T.Hamamoto et.al.: "Altered microsatellites in incomplate-type intestinal metaplasia abjacent to primary gastric cancers." J.Clin.Pathol.50(10). 841-846 (1997)

  • [文献書誌] 笹富英三郎 他: "胆嚢癌・前癌病変の細胞動態" 消化器科. 24(6). 661-667 (1997)

  • [文献書誌] 向井伸介 他: "サイトカインによる胆嚢癌増殖形態の検討" 消化器癌の発生と進展. 9. 375-380 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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