研究課題/領域番号 |
09671335
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
杉山 政則 杏林大学, 医学部, 助教授 (20192825)
|
研究分担者 |
平野 寛 杏林大学, 医学部, 教授 (10086481)
川上 速人 杏林大学, 医学部, 助教授 (30146542)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
キーワード | ガラクトース転移酵素 / 膵腫瘍 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
膵腫瘍診断の指標として膵組織中βl,4-galactosyltransferase(GalTase)発現の応用の可能性を検討する目的で、正常膵組織および膵腫瘍組織におけるGalTaseの発現を検索した。 材料として胃癌膵脾合併切除例9例の手術時に得た正常膵組織と、膵腫瘍切除例9例の膵腫瘍組織を用いた。膵腫瘍の内訳は膵管内乳頭腺腫2例、膵管内乳頭腺癌1例、浸潤性膵管癌6例であった。マウス抗ヒトGalTaseモノクロナール抗体(Mab8628)を用いて、GalTaseの発現の程度と局在を光顕および電顕レベルで免疫組織化学的に検討した。 正常膵組織の膵管細胞と腺房細胞では、全例でGolgi装置のtrans領域にGalTaseの軽度〜中等度の発現を、44%でjunctional complex(tight junctonとadherens junction)に軽度の発現を認めた。膵腫瘍組織では全例でGolgi装置にGalTaseの高度発現を、junctional complexに軽度〜中等度の発現を認めた。しかし腫瘍の悪性度・組織型とGalTasの発現強度との間に明確な関連はみられなかった。 本研究では、正常膵組織および膵腫瘍組織において、Golgi装置およびjunctional complexの両者にGalTaseの発現が認められた。これはGalTaseが膵細胞間の接着と情報伝達に大きな役割を担っている可能性を示している。また正常膵組織と比べ膵腫瘍組織でGalTaseの高度発現を認めたことから、膵腫瘍診断においてGalTaseが有力なマーカーとなる可能性を示唆している。
|