研究概要 |
【目的】血管新生を促進する増殖因子受容体のリガンドとしてVEGFを川いる計画であったが、fusion proteinのset upの都合で以下に述べるFGF系を利用したproteinの検討を進めた。17GFを,低免疫原性の殺細胞物質としてヒトRNaseを遺伝子工学的に融合させFGF-RNase fusecl protein(FRFP)を作製し,in vitroにおける血管新生阻害効果を確認し、in vivoにおける腫瘍増殖抑制効果を検討した。【材料と方法】FRFPは大腸菌で発現させ,インクルージョンボディーから可溶化・リフォールディングの後精製したものを用いた。in vivo実験系は,A431細胞をSCIDマウス皮下に移植し,移植腫瘍辺縁にFRFPを移植日より3週間連日1.45mg局注した。control群にはPBSを同様に投与した。連日腫瘍径を測定し推定腫瘍重量(W(mg)=0.5×LS;L(長径)S(短径))を算出し検討した。【結果と考察】3週目の推定腫瘍重量はcontrol群3629.6±794.9(mg),FRFP投与群2420.9±401.4(mg)であり明らかな腫瘍増殖抑制効果を認めた。また死亡例はなく、体重の減少を含めて両実験においてこの濃度範囲での毒性は認められなかった。【結語】FGF-RNasefusecl proteinはA431細胞移植可スキッドマウスの腫瘍増殖を抑制したことより,新しい腫瘍血管新生抑制剤になる可能性が示唆された。
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