研究概要 |
【目的】平成10年度は,微小転移巣における血管新生とmAbのpenetrationの関係、ならびにmAbの投与量と時間推移による微小転移巣へのmAb集積の状態が明らかにした. 【方法】1μg/2μCiのI-125を標識したmAbH-15(0.5ml)を静脈内に注入する群(低mAb投与群:n=45)と,10μg/2μCiのI-125を標識したmAbH-15(0.5ml)を静脈内に注入する群(高mAb投与群:n=45)を設定し,HT-29LMM細胞1x10^7個移植後21日目に投与した.MAb投与後6時間,24時間,および72時間後にsacrificeし,肝臓を摘出して凍結した.20μmの厚さにスライスし,autoradiographyとavidin-biotin peroxidase complex(ABC)法による免疫染色を行い,微小転移巣における血管新生とmAbのpenetrationの関係、ならびにmAbの投与量と時間推移による微小転移巣へのmAb集積の状態を検討した. 【結果】血管新生が最大径300〜600μmの微小移巣においては,血管新生が豊富に認められた.新生血管の周囲に、mAbの高い集積が認められた.また,MAbの集積が最も多く得らたのは,高mAb投与群における投与後24時間のグループであった.以上の結果から,微小転移巣に対するmAb投与は新生血管周囲に集積が生じることから有用で,癌の補助療法として期待できると考えられた. 【今後の研究計画】このモデルを利用してmAbに標識するRIをhigh doseのI-131に代え,survialstudyを行い,補助療法における応用をさらに検討する.
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