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1997 年度 実績報告書

Indocyanine green(ICG)を用いた食道静脈瘤のdiode-laser治療

研究課題

研究課題/領域番号 09671339
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

鈴木 博昭  東京慈恵会医科大学, 医学部・内視鏡部, 教授 (70056696)

研究分担者 奥脇 秀一郎  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00233487)
増田 勝紀  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80199695)
日野 昌力  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10277072)
キーワード食道静脈瘤 / (diode-laser)半導体レーザー / インドシアン2グリーン(ICG) / 内視鏡治療
研究概要

食道静脈瘤の周囲の粘膜下層に半導体レーザー光の発振波長である805nmに吸光ピークを有するICGを注入し、予め病変を修飾した後レーザー治療する方法についてその効果と安全性を実験的に検討した.出血休止期の静脈瘤に対しレーザー照射を行う場合、照射によって静脈瘤の表面組織が蒸散し、出血が惹起される可能性がある。そのため照射出力を低出力域に設定した。
実験1.食道壁に対する作用:犬の食道壁を用いて、静脈痛荒廃・消失において重要な間質の線維化作用について検討した。内視鏡下に食道粘膜下にICG溶液(濃度1mg/ml)を注入した後、注入部位に対し出力12Wで照射を行い、食道壁の経時的な変化を形態学的に観察した。照射直後では、表面は白色に変化したものの、蒸散による組織欠損は認められなかった。組織像では、粘膜・粘膜下層に選択的な熱変性が認められた.3日後には熱変性した粘膜・粘膜下層に、急性炎症の像が認められ、1週間後より肉芽性変化が認められるようになった。2週間後には、線維組織の増生が認められるようになり、1ヶ月後には、粘膜・粘膜下層は完全に線維組織で置き換わった。一方、固有筋層には経過を通じて変化が見られなかった。実験2.家兎耳静脈に対する作用:実験1に基づいて本法の血管消失効果について検討した。家兎耳静脈の周囲の皮下にICG溶液を注入したのちレーザー照射を行い、形態の経時的な変化を観察した。血管に対して出血を惹起することなく照射でき、1週間後まで血栓形成は認められず血管腔は開存していた。2週間後より、血管周囲の間質に繊維組織の増生が認められるようになると血管腔は狭小化し、1ケ月後には血管腔は消失していた。
本法は、静脈瘤の消失にとって重要な間質の線維性変化を、病変の主座である粘膜・粘膜下層に選択的にもたらす。また、安全面では出血させることなく照射でき、筋層の保護作用によって術後の狭窄や食道の運動機能障害を回避出来ると考えられる。本法の効果と安全性が確かめられた。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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