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1997 年度 実績報告書

ヒト肝癌、肝硬変に伴う間葉系細胞の分化と増殖に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09671354
研究種目

基盤研究(C)

研究機関(財)田附興風会

研究代表者

牧 淳彦  財団法人田附興風会, 医学研究所・第3研究部, 主任研究員 (70250074)

研究分担者 金田 研司  大阪市立大学, 医学部・第2解剖学教室, 教授 (30161186)
キーワードVEGF / 血管増殖因子 / 平滑筋 / Flt-1 / KDR / Flk-1 / 原発性肝癌 / 大腸癌 / 転移性肝癌
研究概要

肝細胞癌被膜での平滑筋細胞の出現【方法】肝硬変(LC)及び肝細胞癌(HCC)でビメンチン、平滑筋アクチン(1A4,HHF35,CGA7)、ミオシン重鎖アイソフォーム(SMemb,SM1,SM2)について調べた。【結果】LCの繊維性隔壁の紡錘形細胞はビメンチン、1A4、SMemb陽性、HHF35、CGA7陰性であった。HCC被膜の紡錘形細胞はビメンチン、1A4、HHF35、CGA7、SMemb及びSM1に陽性であったがSM2は陰性であった。【結論】HCCの線維性被膜には分化した平滑筋細胞が誘導される事が示された。
慢性肝疾患でのVEGF及びレセプターの発現【方法】凍結肝組織で、VEGF及びレセプター(Flt-1,KDR/Flk-1)につき検索した。【結果】正常肝ではVEGFは少数のKupffer細胞(以下K-C)にのみ認められたがレセプターは認められなかった。鬱血肝では多数のK-C、細小動脈の内皮細胞にVEGFが認められたがレセプターは認められなかった。慢性肝炎、LCでは、炎症部位でK-C、血管内皮細胞にVEGFが増強し、レセプターもマクロファージ(φ)や新生血管内皮に発現した。VEGFとレセプターの分布はほぼ一致した。【結論】鬱血や慢性炎症を伴う肝疾患の血管新生で、VEGFシステムが重要な役割を果たしている事が示された。
大腸癌肝転移でのVEGF及びレセプターの発現【方法】大腸癌肝転移巣で、VEGFとレセプターの発現を調べた。【結果】非癌部ではVEGFは一部のK-Cのみに陽性でレセプターを認めなかった。転移巣辺縁の線維化部分ではφの一部にVEGF陽性であったがレセプターは認めなかった。一方、転移巣周辺ではφの集積及び毛細血管の増殖があり、VEGF及びVEGFレセプターの著明な発現を認めた。【結論】大腸癌の肝内転移巣進展には、VEGFシステムが重要な役割を持つことが示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 小島明子、牧淳彦他: "ヒト肝細胞癌被膜形成における平滑筋細胞の出現" 肝類洞壁細胞研究の進歩. 10. 122-124 (1997)

  • [文献書誌] A.Kojima, M.Ueda, A.Maki et.al.: "Mutual Expression of Vascular Endothelial Growth Factor and its Receptorsin Human Liver Diseases" Hepatdogy. 26(4). 229A (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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