研究概要 |
右室から肺動脈への心外導管による右室流出路再建手術(Rastelli手術)は多くの先天性心疾患の外科治療に応用されているが,遠隔期での外導管内の弁肥厚やpeel形成による狭窄の問題がある。吸収性弁材質を用いて弁付き外導管を作成し,術後急性期には弁付き外導管として弁機能の役割を果たすとともに,遠隔期には縫着弁が完全に吸収消失することにより弁なし外導管となり,遠隔期での狭窄病変の発生が防止できると同時にグラフト内面のpeel形成も抑制できるかを検討するのが,研究の目的である. 本年度研究成果 : 吸収性シート材質の決定と加水分解の様態の検討 : 加水分解する材質であり,かつ,弁機能を維持できるpliabilityと右室圧に耐えられる強度を持っている材質として,ポリグラクチンを採用し,現在,手術用補填材質として市販されているVICRYL woven mesh(Ethicon Co.)を用いる事とした.VICRYL woven meshを弁状に成形し人工血管内に縫着,浸水テストの後に,Mock回路内で拍動流を与え,弁材質として適切か,吸収性材質の加水分解の時期,程度,その部位を検討しているところである.
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