研究課題/領域番号 |
09671363
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮入 剛 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50302683)
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研究分担者 |
遠藤 宗幹 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30312309)
小野 稔 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40270871)
中島 淳 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (90188954)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 異種移植 / concordant / discordant / ニホンザル / ミニブタ / リンパ球サブセット / 抗種抗体 |
研究概要 |
異種動物の組織を処理した材料を用いる治療法は以前から行われているが、これらは生体組織を用いるのではなく化学処理により生物学的活性を除去した組織を使っているにすぎない。一方、同種組織を材料として用いることの有用性は広く認められているものの、これについては供給が不十分であるという問題がある。異種生体組織がヒト生体内で生着しうる可能性があればこれらの問題を解決しうるが、不可避である異種拒絶反応に対する研究が必須となる。Concordant及びdiscordantの異種間移植実験を行い、関与する拒絶反応の形式及び抑制法について検討した。 Concordant異種移植においては、同種移植に見られるような細胞性免疫反応は乏しく、移植後の抗種抗体価の増加・Bcellの増加が見られ拒絶反応の主体は移植後に進行する液性免疫反応によると考えられた。これらの反応は術前脾摘・tacrolimus・methotrexate等の既存の免疫抑制法によって完全ではないが一部制御可能であることが示された。 一方、discordant異種移植においては、拒絶反応は既存の自然抗体による超急性反応が主体となる。生直後のinfant monkeyを用いることでこの反応を回避した実験を行ったところ、やはり急性期に同様の様式で移植片は拒絶され、超急性拒絶反応を回避し得てもやはり液性免疫を主体とする拒絶反応が傷害となることが示された。 異種組織片の臨床応用に当たっては、既存の免疫抑制法によってある程度反応を軽減させることが出来るものの、より有効な液性免疫抑制法の開発が必要であると考えられた。
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