研究概要 |
研究経過 平成10年度 【経過と目的】平成9年度ではHVJ-liposome法による生体内遺伝子導入法で肺組織にET-1geneを導入することで誘発されるOB類似病変を作成した.この成果は米国胸部疾患学会(ATS/ALA)の"Expandingstrategiesandtargetsingenetherapy"のシンポジウムで発表し,OBの実験modelであるという評価を得た.この結果はETantagonist等の治療の可能性を示唆した.さらに肺移植における遺伝子治療の臨床応用を目指した導入法を検討する必要がある. 【方法】体重250gWistarmaleratを使用, FITCでラベルしたoligodeoxynuc1eotides(ODN)をliposome内に封入し,HJ-liposomecomplexを気道(I群)と左肺動脈(II群)から投与した.次に肺移植時の前潅流法を利用してexvivoに移植肺にHJ-liposomecomplexを投与した(III群).III群では次にcufftechniqueによる左肺同種移植(Wistar-Wistar)を施行した.3群とも投与後3日にratを犠牲死させて肺組織への導入の程度を螢光顕微鏡で観察した.【結果】I群で気管支上皮,肺胞上皮細胞,肺胞macrophageにFITCの発現が認められた.II群では肺胞上皮細胞,肺胞macrophageにFITCの発現が認められたが,肺血管内皮での発現は明らかではなかった.III群では虚血再潅流,HJ-liposomecomple投与に伴う影響が起因する肺組織障害が認められた.肺組織障害の軽微(or無し)での移植肺での発現を検討すべく実験を継続中である.
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