研究課題/領域番号 |
09671382
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
清水 信義 岡山大学, 医学部, 教授 (90108150)
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研究分担者 |
青江 基 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (80260660)
市場 晋吾 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (30284102)
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キーワード | 人工肺 / 実験 / 体内植え込み / 完全置換 / 雑種成犬 / 肺高血圧 / 肺動脈バンディング |
研究概要 |
内科的治療の限界を超えた慢性呼吸不全に対する治療法の一つとして長期使用可能な植え込み型人工肺は、その開発が望まれる。1960年代、すでに体内植え込み式人工肺の発想があり、動物実験報告もあったが、人工肺の性能上の問題などのため、人工心臓など他の植え込み型代用臓器に比べ、開発の進歩に大きく遅れをとってきた。しかし高分子化技術の進歩に伴い、優れた膜型肺が市販されるようになった。近年開発されたクラレ社のMENOXTMEL2000は、人工肺としての性能向上とともに、抗血栓性にすぐれ、体内植え込みの可能性もでてきた。我々は市販のクラレ学医学部動物実験施設にて当施設のガイドラインに従って肺完全置換の実験を行った。装置は膜型肺と、径6mmコネクターを介した24Fr静脈潅流カテーテル(SarnsTM)または径8mmEPTFE人工血管よりなる。雑種犬6匹(体重4.8〜7.7kg,平均6.2kg)を用い、左側第4肋間開胸し、装置を左肺主動脈-左心房間に装着後、右肺動脈を結染し、人工呼吸器を停止して、自己心による人工肺潅流を行った。全肺置換にて血液ガス、血行動態を6時間観察した。人工血管による端々吻合を3例、静脈潅流カテーテルによるカニューレーションを3例に行った。植え込まれた人工仰のガス交換能平均値は0240.6±4.3ml/min、CO238.6±4.3ml/min、潅流土は平均値0.50±0.05L/mln、人工肺の抵抗値は26.6VIII山g/L/minであった。MENOXTMEL2000による植え込み型人工肺を目的とした装置は生体に必要な十分なガス交換能を示した。抗血栓性、より少ない圧力損失と体内植え込みに適したハウジングとが今後の課題であると思われた。
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