研究課題/領域番号 |
09671397
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
八田 光弘 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00167587)
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研究分担者 |
大加戸 彰彦 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10281403)
野々山 真樹 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40201701)
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キーワード | Batista手術 / wall stress / 酸素消費量 |
研究概要 |
拡張型心筋症の外科治療法として開発された左室容積減少手術(Batista手術)のコンセプトは、非可逆的に拡張した左室心筋を外科的に切除することにより左室のwall stressを減少させることとされるが、詳細な病態生理学的検討はなされていない。この研究では、家兎の摘出心を用いて拡大左室心をシミュレーションし、wall stress、酸素消費量、血行動態等の面から検討する。 第1段階:家兎の摘出心をKrebs-Henseleit液よりLangendorff灌流し、左室内にバルーンを挿入、左室心内外膜側に超音波クリスタルを1対ずつ留置する。バルーンにより前負荷を正常範囲の200%まで増加させていき安定化させ、左室圧、冠灌流量、酸素分圧、左室直径および壁厚の変化をreal timeに測定する。再びバルーンを収縮させ各前負荷におけるこれらの変化を測定することにより、血行動態、左室心筋酸素消費量、wall stressの変化おび相互関係を知る。 第2段階:拍動心をGIK液により心停止させ4〜6時間保存することにより虚血傷害心を作成、同様の実験を施行し、正常心の結果と比較して、各因子に対する虚血負荷の修飾効果を知る。 第3段階:家兎にadriamycin 1mg/Kg、1回/2週を6週間投与することにより左心不全心家兎を作成する。摘出心をLangendorff灌流して測定し、GIK液で心停止後に回路よりはずして実際にBatista手術を施行する。再びLangendorff灌流して測定し、各因子の変化をみる。 現在第1段階で、酸素消費量の変化を検討ちゅうであるが、正常心拡張状態からバルーンをやや収縮させた場合は酸素消費量が著明に減少するが、ある程度以上収縮させてもあまり変化しない傾向にあることが分かった。超音波クリスタルによる測定は現在進行中である。また第3段階の家兎は作成途上である。
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