成犬(ビ-グル犬、体重6-10kg)6頭を使用して、以下の実験を行った。 全身麻酔下に、開胸し心膜切開後に、左前下行枝と対角枝を閉塞して心筋梗塞を作成した。6頭のうち1頭を心室細動で失ったが、残り5頭でレーザーによる心筋血行再建術の実験を行った。心電図同期型レーザー発生装置を取り付けたNd-YAGレーザーを使用して、作成した心筋梗塞部に心拍動下にレーザー照射を行った。照射条件は、1回20-40joulesで接触法にて15-30個所、1-2mmのプローブを使用した。 術後1ヶ月の時点で3頭を検討した。その結果、梗塞部の心筋壁運動は改善していたが、レーザーにより作られたと考えられる新生微少血管は、病理学的には明らかなものは確認出来なかった。 今年度は、高精度の心電図同期型レーザー発生装置の作成に時間がかかり、実験頭数が少なかったため、次年度にかけてさらに実験を行い検討してゆく予定である。
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