研究概要 |
(中間報告) 腫瘍細胞ACL-15(colon cancer)によるラット転移モデルでのMMP阻害剤の有用性を検討するにあたって,先ず転移巣形成ステップの中で重要な基底膜を中心とした癌細胞の浸潤について再生基底膜マトリゲルを用いたin vitroインベ-ジョンアッセイを行い検討した.8μmの穴のあいたマイクロポア-フィルター表面に基底膜構成成分でコートしたものを基底膜に見立てて,その上層にACL-15をおき浸潤する細胞を観察した。 方法:ACL-15 2×10^5cellsをmultiwell plate付Biocoat Matrigel invasion chamber内にて培養する.すなわちこのchamberの下層に600μlの10%FCS添加DMEM mediumを入れ,フィルター面が下層の液面下にくるようにし,上層にはACL-15を添加した.これを1-6時間培養しフィルターの下面に浸潤するACL-15 cellを観察し算定した.この際ランダムに5視野の平均値を算出した. 結果:経時的にACL-15細胞は増加していた. 今後はin vitroにおけるMMP阻害剤による浸潤阻止効果とin vivoにおける薬剤の有効性について検討していく.なお,vital microscopyによるラット肺表面の血流の観察は可能となり,ラット肺転移モデルを用いたMMP阻害剤による浸潤阻止効果のin vivo観察法について検討している.
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