| 研究課題/領域番号 |
09671405
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 研究機関 | 山形大学 |
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研究代表者 |
黒木 亮 山形大学, 医学部, 講師 (90225285)
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| 研究分担者 |
斎藤 伸二郎 山形大学, 医学部, 講師 (60153805)
嘉山 孝正 山形大学, 医学部, 教授 (50142972)
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| キーワード | 顔面痙攣 / ラット / 異常誘発筋電位 / 脱髄神経 |
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| 研究概要 |
我々の作成した顔面痙攣モデルラットにおいて、ヒト顔面痙攣症例に特徴的な異常誘発筋電位に類似の誘発筋電位が記録できた。同モデルラットにおいてのみ、定位的にタングステン電極を挿入した顔面神経核から、末梢電気刺激後1.5〜2msecにピークを持ち、異常誘発筋電位に相応すると考えられる電位が記録でき、これまでの臨床的研究から考えてきたとおり、顔面痙攣の本態は、血管圧迫部での慢性の末梢刺激により過剰興奮に陥った顔面神経核にあることが強く示唆された。
これらの電気生理学的変化が、何らかの形態学的変化によるものかどうかを確かめるため、モデルラットの末梢顔面神経と顔面神経核を組織学的に検索した。特に、慢性的な疾患で少しづつ病状の進行する顔面痙攣の病態を探るために、異常誘発筋電位が出現してから半年以上同様の状態の続いたモデルラットにおける顔面神経および顔面神経核の超慢性期の形態学的変化を探った。以上誘発筋電位の記録できたモデルラットの内、そのまま飼育を続け6ヶ月以上生存したラット3匹において、異常筋電位の出現を確認後、sacrifyし、ホルマリン固定後トルイジンブルーにて染色し、光学顕微鏡で観察した。処置部顔面神経は、その前後の部分に比較して脱髄した有髄繊維が多く、一部では軸策まで変化が及んでいた。異常誘発筋電位が出現した直後の亜急性期に調べた顔面神経に比べ脱髄の程度は変わらないものの,perineurium内の変化が強く神経線維の径の不揃いが目立った。軸策の変化は強くなかった。
このような末梢顔面神経の形態学的変化は、顔面痙攣患者の顔面神経とくに中枢性髄鞘から末梢性髄鞘への移行部であるObersteeiner-redlich zoneに類似した病理学的変化であると考えられ、この脱髄などの神経線維の変化が血管などによる外的刺激に過敏な状態を作り、慢性に過敏な状態が顔面神経核へ慢性の刺激を与え、顔面神経核の過剰興奮性を惹起したものと推測した。
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