研究課題/領域番号 |
09671406
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
坪井 康次 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (90188615)
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研究分担者 |
安藤 興一 放射線医学総合研究所, 国際宇宙放射線医学研究センター, ユニットリーダー (00159526)
YOSHII Yoshihiko Professor, Fucalty of Medicine, Ryukyu University (50110507)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 脳腫瘍 / 膠芽腫 / 重粒子線 / 細胞死 / 細胞周期 / p53 / p21 / アポトーシス / cell cycle / linear-quadratic |
研究概要 |
【目的】本研究の主たる目的は重粒子線の膠芽腫細胞に対する放射線生物学的な効果を明らかにすることである。 【対象および方法】対象はヒト悪性神経膠芽腫細胞株U87MG、A172(p53野性株)とTK1、U251MG(p53変異株)及び髄芽腫細胞株ONS76(p53変異株)を用いた。膠芽腫細胞の増殖死と直接の細胞死をエンドポイントとして炭素粒子線の膠芽腫細胞に対する効果を評価するとともに、細胞周期の変化を分析した。重粒子線照射は放射線医学総合研究所のHIMACによって加速された290MeV/uの炭素粒子線を用い、ガンマ線照射は、本学医学RI棟ガンマセル(^<137>Cs)を用いた。増殖死、直接の細胞死を定量化するためにコロニー形成法によるアッセイ、色素排除法、アポトーシスの検出、フローサイトメトリーを行った。またp53、P21の発現はウェスタンブロツトで検討した。 【結果、考察】1)炭素粒子線はγ線よりも膠芽腫細胞に対する細胞傷害性が高く、LETが約80keV/μmでRBEは最大となり、γ線抵抗性の高いp53変異株のほうが炭素粒子線のγ線に対するRBEは高くなった。2)膠芽腫細胞株では炭素粒子線照射後のG2 b1ockはp53変異株で強く出現し、LETが上昇するにつれて増大したが、細胞回転の回復に伴い遅延型の細胞死が生じた。3)膠芽腫細胞では、炭素線照射後のみにアポトーシスが出現したが、全体の細胞死に対するアポトーシスの割合はほぼ13〜17%で、この値はp53野生株の方が変異株よりも若干多い値を示した。さらにこのアポトーシスはp53を介さないで起きている可能性が高いと考えられた。4)炭素粒子線照射後のp53とp21の発現の変化を見ると、p53野生型の膠芽腫細胞ではLETが高くなるにつれて照射後のこれらの発現が減少したが、線維芽細胞では持続した。
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