研究課題/領域番号 |
09671408
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
平戸 政史 群馬大学, 医学部, 助手 (00173245)
|
研究分担者 |
高橋 章夫 群馬大学, 医学部, 助手 (60261856)
根岸 正敏 群馬大学, 医学部, 助手 (80272235)
|
キーワード | Parkinson's disease / central(thalamic)pain / rigid-akinesia / supplementary motor area / primary motor area / thalamocortical tract / depth microrecording / PET scan |
研究概要 |
後腹側淡蒼球手術を施行したParkinson病固縮、寡動例13例において、PETを用いた局所脳糖代謝、随意運動時脳血流変化の測定、及び微小電極法を用いた淡蒼球神経活動記録を行い、手術効果との関係から、これらの前頭葉皮質、基底核機能について検討した。Prakinson病固縮、寡動例では、いずれの例においても局所脳糖代謝が大脳皮質前頭葉(前頭前野>運動野)で広範に低下していた。手術効果を、Excellent(6例)、Good(3例)、Moderate(3例)、Fair(1例)の4群に分けると、一側手指の連続拇指対立運動に際し、Excellent、Good群では、対側ないし同側皮質運動野で局所脳血流の増加を認めたが、Moderate、Fair群では、その増加は明らかでなかった。又、Fair群では、補足運動野でも明らかな増加を認めなかった。脳深部電気活動記録では、Execllent群で、淡蒼球内筋自発発射活動が高頻度、高振巾を呈していた。すなわち、Parkinson病固縮、寡動例では、いずれも前頭葉皮質で糖代謝が低下していたが、手術効果良好例では、淡蒼球内筋自発発射活動が活発で、随意運動に際し運動野、補足運動野の機能が維持されていることが示唆された。一方、視床痛例において、局所脳血流を用いたPETスキャンにより視床、大脳皮質の病態について検討した。視床痛例では、対側正中神経電気刺激により視床感覚核病変前方、視床底部で局所脳血流の増加を認め、電気生理学的な末梢自然刺激に対する反応の変化、バースト放電の頻発と対応した。又、対側正中神経電気刺激により、患側皮質運動野、対側皮質運動感覚野でも局所脳血流の増加を認めた。従って、視床痛例では視床感覚核病変前方、視床底部、皮質中心溝付近において感覚受容に変化が生じ、刺激に対し広範かつ過剰な反応が引き起こされている可能性があり、これらの変化が視床痛の成因となっていることが示唆された。
|