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1998 年度 実績報告書

モヤモヤ病における血管壁細胞の機能異常の解析とgene mapping

研究課題

研究課題/領域番号 09671412
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

松島 善治  東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (20134679)

研究分担者 玉置 正史  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30301154)
山本 清高  東京都老人総合研究所, 細胞生物部門, 主任研究員 (90073022)
青柳 傑  東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (40134704)
キーワードモヤモヤ病 / 炎症性cytokine / IL-1 / linkage analysis
研究概要

(1)浅側頭動脈より血管平滑筋細胞(SMC)を培養し、SMCの増殖および遊走反応性について、血管内膜肥厚に関与すると考えられる種々の増殖因子、cytokinesについて検討した。DNA合成刺激はモヤモヤSMCでは、どの因子についても低反応性であり、対照SMCとの差はPDGF-AA,-BB,IL-1bで有意であった。遊走刺激について検討すると、PDGF-BB,-AAともにモヤモヤSMCで有意に刺激効果が認められた。一方、IL-1,IL-6では有意の低反応性を示した。特に、IL-1にたいする反応性は対照SMCとは顕著な違いが認められ、対照SMCではIL-1はすべて遊走刺激効果をしめすのに対し、モヤモヤSMCのすべての細胞株で抑制効果を示した。この結果は、モヤモヤSMCに、IL-1bに関連する細胞内signal、あるいは、下流の分子の異常が存在する可能性を示唆している。(2)モヤモヤ病家族発症例について、詳細な家系図を作成し、MRangiographyを可能な限り施行し、疾患の有無を明らかにした。現在迄に4家系について検討を行った。最も頻度の高い家系は6人の有疾患者が明らかとなった家系である。これら家族例より、非発症例を含めgenomic DNAを抽出し、microsatellite analysisによるlinkage analysisを施行中である。これまでの検索から、HLA locus,NF-1,PDGF,PDGF receptor,FGF,elastin,Down Syndrome,tuberal sclerosisとのlinkageは否定された。モヤモヤ病は、単純な優勢遺伝形式をとらず、多因子性、特に外的因子の関与が濃厚である。従って、多数の患者を有する、家系はなかなか得られにくく、解析を困難にしている。我々の家系では、最大7例の患者を有しており、これまで報告されたなかで、最も大きな家系である。しかしながら、それでも、一般的に遺伝子解析の成功した疾患に比較すれば、小さな家系である。本疾患の遺伝子解析には、家系の集積と、mappingという根気よい労力が必要である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 松島善治、青柳 傑 他: "小児期EDAS施行後の成人期脳血管撮影所見について" 小児の脳神経. 22. 206-209 (1998)

  • [文献書誌] 松島善治: "総説-モヤモヤ病に対する間接的血管吻合術" 脳神経外科. 26. 769-786 (1998)

  • [文献書誌] Nariai T, Matsushima Y et al.: "Post-hyperventilatory steal response in chronic cerebral hemodynamic stress. A Positron Emission Tomography study." Stroke. 29. 1281-1292 (1998)

  • [文献書誌] Yamamoto M, Aoyagi M, et al.: "Differences in cellular responses to mitogens in arterial smooth muscle cells derived from patients with moyamoya disease." Stroke. 29. 1188-1193 (1998)

  • [文献書誌] Aoyagi M, Yamamoto M, et al.: "Immunolocalization of matrix metalloproteinases in rabbit carotid arteries after balloon denudation." Histochem Cell Biol. 109. 97-102 (1998)

  • [文献書誌] Yamamoto M, Aoyagi M, et al.: "Decrease in p53 protein in cultured cardinal ligament fibroblasts from patinets with uterine prolapsus uteri." Cell Biology Int. 22. 31-40 (1998)

  • [文献書誌] 松島善治、山浦晶、森竹浩三編: "脳血管障害;モヤモヤ病-EDASを中心として、小児脳神経の外科-Standard and Modified Techniques-" 医学書院、東京, 329-334 (1998)

  • [文献書誌] Matsushima Y: "Moyamoya Disease, , Chapter 48 of “Principle and Practice of Pediatric Neurosurgery"" eds A. Leland Albright, Ian F. Pollack, P. David Adelson, Thieme, New York, 1053-1069 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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