本研究は脳血会における血管内血行再建をグラフト(静脈)を有するステントにより行うことにある。しかしながら金属ステントは直径3mm以下の血管においては開存率が悪く、閉塞してしまうため、脳血管には応用不可能である。これは金属部分に発生する血栓によるものであり、本研究で用いるステントはこれを克服するため金属部分を可及的に減らし静脈を主体とさせ血管内に自家静脈を移植する状態とし閉塞を予防するように考案した。 本年度は昨年度に行った大頚動脈の血管内腔にグラフト(静脈)を有するステントを留置し、血流及び血管壁に与える影響及び血管の開存率の観察に基づき、大頚動脈に実験的動脈瘤を作成し、この茎部を閉塞させるように静脈付きステントを置き、一定期間血管撮影によりfollow-upを行った。これにより1週間の血流開存と動脈瘤内腔閉塞が観察され、また血管内視鏡による観察により静脈片の一部が嵌入する場合も観察された。
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