研究課題/領域番号 |
09671421
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
小島 精 三重大学, 医学部, 助教授 (70024651)
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研究分担者 |
吉田 利通 三重大学, 医学部, 助教授 (80166959)
坂倉 照よ 三重大学, 医学部, 教授 (80073120)
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キーワード | 神経膠種 / テネイシン-C / テネイシン-X / 浸潤 / 増殖 / 血管新生 |
研究概要 |
脳腫瘍増殖におけるテネイシンファミリーの機能を明らかとするために、テネイシン-Cが間質に多量に存在し、悪性のものは非常に治療が困難である神経膠腫においてテネイシン-Cとテネイシン-Xの発現を比較検討した。テネイシン-Cとテネイシン-Xの蛋白分布を免疫組織化学的に調べると、テネイシン-Cの発現は組織学的悪性度が高くなるにつれ腫瘍間質および血管において増強しており、特に血管新生の著しい部位においては強い発現を認めた。一方テネイシン-Xの発現は逆に低悪性度の腫瘍の血管周囲で強く認められた。発現量はテネイシン-Cに比べ少ないが、神経膠腫細胞株や神経膠腫組織からの抽出蛋白においてもテネイシン-Xの発現を認めた。産生細胞の同定についてはIn situ hybridizationにより、テネイシン-C mRNAの発現を神経膠腫細胞と血管内皮細胞に認めたが、テネイシン-X mRNAの発現はまだ確認できていない。また神経膠腫の生物学的特性を明らかにするためには、Ki-67抗原による細胞増殖,第VIII因子関連抗原の染色による新生血管を解析し、テネイシンファミリーと神経膠腫の浸潤、増殖、血管新生との関連についてさらに調べる必要がある。良性脳腫瘍として典型的な髄膜腫においては、テネイシン-Cの蛋白発現が少ないのに比して腫瘍間質にテネイシン-Xの蛋白発現を多く認めたが、テネイシン-X mRNAの発現はまだ確認できておらず、テネイシン-Xの機能を解明するためには産生細胞を明らかにする必要がある。
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