研究課題/領域番号 |
09671423
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
丸野 元彦 大阪大学, 医学部, 助手 (10263287)
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研究分担者 |
早川 徹 大阪大学, 医学部, 教授 (20135700)
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学部, 講師 (00201046)
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キーワード | グリオーマ / CGH法 / 染色体欠失・増幅 / 第1・19・22番染色体の欠失 / 初発膠芽腫 / 生存期間 |
研究概要 |
複数の遺伝子、あるいは染色体の異常に基づき腫瘍化ならびに悪性化すると考えられているグリオーマの全染色体における遺伝子コピー数の異常を種々の悪性度を示すアストロサイト系腫瘍から得た凍結切片標本を用いて検討した。その結果、染色体欠失領域の数は組織学的悪性度の増加と共に増加することが示された。これらの欠失は、染色体1p、19q、そして22qで最も多く認められた。また、星細胞腫や退形成星細胞腫に比べ、最も悪性である膠芽腫では遺伝子異常の領域は大きく、また多数の部位にみられ、これには統計学的に有意差が認められた(p<0.01)。膠芽腫を初発膠芽腫(primary glioblastoma)と退形成星細胞腫から再発して膠芽腫となった再発膠芽腫(secondary glioblastoma)とに分類し検討すると、両者では組織形態学的に違いは認められなかったが、初発膠芽腫では染色体増幅が高い頻度で認められた。一方、再発膠芽腫では染色体増幅は認められなかった。また、実際の臨床経過・転帰との関連につき検討したところ、組織学的悪性度分類と生存期間とはよく関連していたが、しかしながら、染色体異常の数あるいは部位と生存期間との間には明らかな関連性は見出すことはできなかった。CGH法は腫瘍DNAの異常を包括的に検討するのに有用であることが示唆され、特にグリオーマの生物学的特徴を検討するのに強力な武器となりうると考えられた。
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