研究概要 |
ラットのニューロン・グリア共培養系での細胞内カルシウム多点同時測定のコントロールデータの収集より,皮質ニューロンを用いると共培養14-17日後に神経細胞の同時興奮が最も強くなった(平成9年度).また同時に一酸化窒素の神経細胞の同期性興奮の対する影響も調べたが,一酸化窒素合成酵素阻害剤の慢性投与により神経細胞間の興奮伝達に変化が現れることが明らにした.しかしながら,シナプトフィジンの定量より,この変化はシナプスの量の変化によるものではないこと,神経型一酸化窒素合成酵素および誘導型一酸化窒素合成酵素の発現にも差がないことをから,一酸化窒素は神経細胞間の同期興奮に関与しているが必須ではなく,他のpathwayの存在も考えられた.これらの結果は第13回神経の成長・再生・移植研究会(平成10年6月6日,東京)および第21回日本神経科学・第41回日本神経化学合同学会(平成10年9月23日,東京)で発表した.さらに低酸素負荷用の専用チャンバーを制作し,メディウム中の酸素分圧変化の基礎データの収集も終了した.現在,低酸素負荷後のbFGFの発現をEIAで測定中であるが,また結果はでていない.
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