研究課題/領域番号 |
09671439
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
今堀 良夫 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (80191899)
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研究分担者 |
上田 聖 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40094411)
大森 義男 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80240951)
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キーワード | 高LET放射線治療 / 放射線壊死 / 増殖シグナル / 中性子捕捉療法 / シグナル伝達画像 / グルコース代謝 / 脳腫瘍 / radiosurgery |
研究概要 |
近年、高LET(linerar energy transfer)放射線治療によるradiosurgeryの発展にはめざましいものがある。しかし高LET放射線による強力な腫瘍殺傷効果が期待される一方で、症例が増すごとに放射線壊死か再発かということが治療後の評価における深刻な問題になりつつある。そこで増殖シグナル活性度からみた腫瘍再発(recurrence)と放射線反応性組織(radiation necrosis)との鑑別法の確立を目的とし、申請者らが開発した増殖シグナル測定法を用い鑑別法を検討した。中性子捕捉療法(BNCT)を行った悪性脳腫瘍患者約6名を対象とし、^<11>C標識ジアシルグリセロール(^<11>C-DAG)を用い、現有設備であるポジトロンCT検査を行った。また対象として^<18>FDGを用いたポジトロン検査を同時期に行った。 膠芽腫症例および中性子捕捉療法後の放射線障害(physical dose;19 Gy)を示唆する症例とのシグナル伝達活性度を比較したところ、中性子捕捉療法後の膠芽腫症例ではMRI検査でGdエンハンスメントを呈し再発のように思われたが、シグナル伝達画像(^<11>C-DAG)、グルコース代謝画像(^<18>F-FDG)ともに明らかな取り込みは示さなかった。すなわちシグナル伝達活性が低く、グルコース代謝画像での活性も低い。この様な場合には放射線壊死と診断することが可能である。一方、初発の膠芽腫症例ではシグナル伝達活性はきわめて高かった。平成9年度の結果から腫瘍再発と放射線反応性組織との鑑別にはグルコース代謝画像とともにシグナル伝達画像が有用である事が明らかになった。
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