研究課題/領域番号 |
09671440
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
白馬 明 大阪市立大学, 医学部, 教授 (10047011)
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研究分担者 |
佐藤 真 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (10222019)
高木 宏 大阪市立大学, 医学部, 教授 (30163174)
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キーワード | 脊髄損傷 / 橋 / 錐体路 / 再生 / 神経再生 / 軸索 |
研究概要 |
我々は脊髄損傷の治療に向け、(1)橋由来大脳皮質軸索化学誘引因子のクローニング、(2)橋組織・橋由来因子を用いての脊髄損傷モデル動物での効率的錐体路再生を目的として実験を行っている。 (1)に関して、本年度は以下の実験・結果を得ている。すなわち、differential display法を用いた検索は終了し、候補遺伝子として3クローン(♯1、♯2、♯3)を同定した。さらに、ライブラリースクリーニングを行い、そのうち2つ(♯1、♯2)の全長cDNAを得た。次にそれぞれの候補3クローンに対し、in situハイブリダイゼーション法を行った。その結果、3クローンとも橋に強い発現を示したが、その発現様式は橋(basilar pons)にほぼ均一に発現するもの(♯1)、内側よりでの発現が強いもの(♯2)、外側よりでの発現が強いもの(♯3)に分かれた。又、♯1は下オリーブ核にも強い局在を示した。ちなみに、下オリーブ核には錐体路から皮質橋路とほぼ同様の投射(皮質オリーブ路)が存在することが知られている。更に、候補3クローンに対し、ノーザンブロット解析を行った。♯2は約5.6kbと9kbに二つのバンドを観察した。又、♯1、♯3ではいづれも約7kbの長さのバンドを観察した。生直後の大脳皮質と橋組織で発現を検討した結果では♯1と♯3では橋組織での発現が有意に強かったが、♯2では大脳皮質でもかなりの発現が確認された。この結果と、in situ hybridization法の結果とを元に考察すると、♯2の遺伝子は大脳皮質においてびまん性に発現していることが想像された。 (2)に関しては、現在脊髄損傷モデル動物の作製を試みている段階である。
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