研究概要 |
獨協医科大学の他Zuich大学(スイス)、Kiel大学、Munchen大学、Wurzburg大学(ドイツ)、Ludwig Boltzman研究所(オーストリア)より合計28例(WHO Grade II:17例、Grade III:11例)の肥満性星細胞腫標本を収集した。MIB-1およびp53の免疫組織化学的検討を行ったパラフィン包埋標本の連続切片の同一部位よりDNAを抽出し、p53遺伝子のExon 5〜8でSSCPを施行した。SSCPでバンドシフト認めたものをdirect sequenceしたところ23例(82%)でmutationを確認した。これは、これまで発表された神経膠腫瘍におけるp53 mutationの報告で最高の頻度と考えられる(secondary glioblastoma:67%.Watanabe et at.1996)。また、第10染色体上のPTEN発癌抑制遺伝子ではExon l〜9でSSCP-Sequenceを行いWHO Grade IIの17例中0例,Grade IIIの11例中2例に異常を認めた。肥満性星細胞腫の悪性変化しやすい性質にp53遺伝子のmutationが関与している可能性は高いものと思われる。
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