研究課題/領域番号 |
09671448
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
塩原 隆造 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (20051352)
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研究分担者 |
石森 久嗣 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30286489)
近藤 新 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20276273)
島崎 賢二 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00265836)
矢崎 貴仁 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80200484)
吉田 一成 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70166940)
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キーワード | 神経膠腫 / 神経接着因子 / c-Met / MIB-1 |
研究概要 |
ヒト神経膠腫の悪性化に関わる因子として、細胞接着因子であり、浸潤能との関わりが予想される神経細胞接着因子(NCAM)とhepatocyte growth factorのreceptorであり、Proto-oncogeneのproductであるc-Met蛋白に注目し、それらのヒト神経膠腫における発現と意義を検討した。まず、astrocytic tumorのおけるNCAMの3つのisoformの発現を検討した。その結果、low grade astrocytomaでは、NCAMの3つのisoformの発現が認められたが、grade4astrocytomaでは、NCAMの発現は著明に減弱していた。NCAMの発現量の半定量を行ったところ、増殖能の指標であるMIB-lindexとは逆相関を示した。また、画像上浸潤性に発育する腫瘍は、NCAMの発現はほとんど認められなかった。一方、c-Met蛋白の検討では、high grade astrocytomaにおいて、有意にその発現が認められ、MIB-1、epidermal growthractor receptorとは発現様式が異なり、c-Met蛋白発現例では生存期間が短い蛍光にあり、悪性度のひとつの指標ととなることが判明した。以上の研究結果から、NCAMの発現の低下が浸潤能の獲得に関与し、悪性度の指標になりうること、c-Met蛋白の発現も組織学的悪性度のみならず、臨床的悪性度を反映していることが明らかとなった。
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