研究課題/領域番号 |
09671455
|
研究機関 | 明治鍼灸大学 |
研究代表者 |
田中 忠蔵 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 教授 (80163541)
|
研究分担者 |
梅田 雅宏 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 講師 (60223608)
恵飛須 俊彦 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 助教授 (40278510)
|
キーワード | MR perfusion imaging / arterial spin labeling / cerebral blood flow / cerebral infanction |
研究概要 |
本研究は、MRIの非侵襲的な性質を利用して、造影剤を用いずに、血液を電磁波でラベリング:スピンラベリングし、ラベリングする前の画像との差分画像から局所脳灌流量を画像化する脳灌流画像法を確立し、定量的な脳灌流画像を得、これを用いて脳神経疾患の診断・病態解析に応用することである。 1. 臨床研究は、1)定性的な脳灌流強聴画像のFAIR法の改良を行い、マルチスライス測定を可能とした。しかし、EPI法を用いたマルチスライス法は、装置上の制限から4スライスが上限となった。そこで、2)スパイラルスキャン法を用いたマルチスライスFAIR法のシーケンスを開発することから、脳全体を約3分余りで測定できる定性的な脳灌流画像法を完成させ、susceptibility効果が大きくひずんでしまう頭蓋底部や脳幹部を除いた脳全体の灌流強調画像を得ることが出来た。3)臨床応用では、他の灌流測定法と比較するため造影剤投与による脳灌流画像の検討を併せて行った。この結果、急性期脳灌流量の低下の検出が可能であり、脳腫瘍例への応用が可能であるものの、造影剤法に比べて急性期の不隠な意識障害患者では、S/N比がきわめて低下し、臨床使用に問題を有することを明らかにした。また、4)この方法による脳循環の定量測定は、S/N比の問題から、臨床実用上困難であることが明らかになった。 2. 実験MR装置(4.7T)による基礎的検討では、1)continuous arterial spin labeling法を実施し、正常ラットおよびMCAOモデルで脳灌流強調画像が得られた。さらには、定量的脳灌流画像用の自動化ソフトの開発を行った上で、2)得られた定量値の妥当性の評価を行った。この評価には、臨床で用いた造影剤法による妥当性の検討をあわせて行い、これらの方法の測定値の下限がきわめて妥当であることを確認した。また、3)得られた定量的な脳灌流量は、従来の他の方法による結果と比較して妥当な値となった。
|