研究概要 |
マウス背部皮下にAir pouchを作成し,一週間後にその中にマウスSarcoma 180 cell,6.7x106個を注入して実験腫瘍を作成した.腫瘍移植より1週間後にスーパー抗原10pgとレンチナン2mgを腫瘍内へ投与し,TAM(Tumor associated macrophages)をAir pouch部に誘導した.次いで腫瘍組織からのTAMの分離と培養を細胞付着性の性質を利用し以下の手順で行った.(1)組織の断片化,(2)コラゲナーゼ処理と遊離細胞の回収,(3)ピペッテング,(4)再度コラゲナーゼ処理と遊離細胞の回収,(5)遠心しRPMI培地へ,(6)プラスチックデイッシユにまき培養,(7)非付着性細胞の除去. 分離されたTAMに関して(1)IFN‐v,(2)IL-12の活性値をELISA法にて測定した.対照としてはスーパー抗原10pgとレンチナン2mgを投与せず実験腫瘍から分離されたControlTAMを用いた.TAM単独の培養条件ではIFN‐v,IL-12の活性値はControlTAMと差がなかったが,腫瘍細胞(Sarcoma180)と共存状態で培養するとIFN-vは2100pg/μl,IL‐12は6000pg/μと有意に高値を示した.以上からレンチナンとスーパー抗原の腫瘍内投与により誘導されるTAMはcytokineを介して抗腫瘍効果を発挿しているものと考えられた.また本年度中に予定していたTAMでの亜硝酸イオンと,活性酸素の測定はいずれも平成10年度に実施の予定である.
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