研究概要 |
本年(平成11年)度は3年間にわたる研究期間の最終年度に当たり、ラット膝拘縮モデルの実験(大腿骨・下腿骨を皮下に縫縮し、膝関節の屈曲拘縮を作製)を用い、以下の実験を行っている。 1,このモデルを用い、交流式容量刺激装置による電気刺激が廃用性変化の防止・軽減に役立つかの検討を実験群、対照群を比較して引き続き行っている。 経時的に膝を含む大腿骨と下腿骨を一塊として摘出し、拘縮角度を計測、次いで力学的解析として、粘弾性測定装置(機械技術研究所に保有済み)による強制振動応答を行っている。 2,ここ2年間行ったラットの年齢と骨塩量、骨梁構造との関連に関する解析を発表した。関心領域での骨密度の計測解析をDEXA式骨塩定量装置(保有済み)とpQCT(機械技術研究所に設置済み)を対比して検討した。 軟骨下骨の組織的観察、電顕写真での骨梁断面形状の計測を使った構造解析を引き続き計画中。 3,ヒト骨組織に対する電気刺激の効果をみるため、医学データベースを用いて無作為化臨床比較試験を収集、メタ・アナリシスの手法に則って、その臨床的有効性を調べた。(文献1) 4,さらに臨床比較試験の範囲を骨以外の軟部組織にも拡大して、本年には、第27回日本生体電気刺激研究会を主催し、電気刺激の臨床効果に関するメタ・アナリシスの結果を会長講演として報告した。 5,膝関節への超音波照射による骨・軟骨に対する影響も検索中。
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