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1998 年度 研究成果報告書概要

ウサギにおける骨盤内静脈叢および硬膜外静脈叢の血行動態とその生理学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 09671478
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 整形外科学
研究機関金沢大学

研究代表者

富田 勝郎  金沢大学, 医学部・整形外科, 教授 (00092792)

研究分担者 川原 範夫  金沢大学, 附属病院・整形外科, 講師 (70214674)
研究期間 (年度) 1997 – 1998
キーワードtotal sacrectomy / hemostasis / venous pressure / experimental study
研究概要

仙骨腫瘍にたいする仙骨全摘術においては、止血が困難な骨盤内静脈叢や硬膜外静脈叢からの持続的な出血をきたすことが多い。出血対策として静脈叢の鬱血を回避する方法を実験的に検討した。
対象と方法:体重3.0-3.5kgの日本白色家兎を用いた。
1) 静脈造影;内腸骨静脈の結紮の有無による骨盤内の静脈血行の変化を観察した。(各3羽)。
2) 血管鋳型作製;碩化剤を加えた造影剤を使用して静脈系の血管鋳型を作製した(n=2)。
3) 内腸骨静脈圧測定:後殿静脈にカニューレを挿入し、内腸骨静脈圧を測定し、以下の操作による変化を調べた。a)内腸骨静脈の結紮。(N=20)。b)総腸骨動脈分岐部における大動脈の結紮(n=5)。c)人為的に出血させるための碩膜外静脈叢の切断(n=5)。d)骨盤部の挙上(n=5)。
結果
1) 内腸骨静脈結紮(-)群では後殿静脈に注入した造影剤は内腸骨静脈から下大静脈に流れ込んだ。内腸骨静脈結紮(+)群では造影剤は内腸骨静脈から硬膜外静脈叢に流入した。
2) 内腸骨静脈と硬膜外静脈叢との連絡路は主に第1仙骨孔を通る分節静脈であった。
3) 全身麻酔下の内腸骨静脈圧は平均7.2±0.2mmHgであった。a)内腸骨静脈の結紮によって内腸骨静脈圧は8.6±0.2mmHgと上昇した。a)に加えて、b)大動脈の結紮は内腸骨静脈圧を8.6±0.1mmHgから7.6±0.2mmHgへと低下させた。a)に加えて、c)硬膜外静脈叢の出血にともない内腸骨静脈圧は8.5±0.3mmHgから7.1±0.1mmHgと低下した。d)内腸骨静脈圧は、頭側を20度下げると8.6±0.3mmHgから5.8±0.1mmHgと低下した。
考察:内腸骨静脈の結紮は骨盤内静脈叢の鬱血をひきおこし、その結果、側副血行路を介して硬膜外静脈叢の鬱血をもひきおこすものと考察した。また、動脈の結紮と頭側を下げた体位は内腸骨静脈圧を低下させ、仙骨周囲静脈叢の鬱血を回避するために有用と考えた。

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公開日: 1999-12-08  

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