研究課題/領域番号 |
09671482
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
森泉 哲次 信州大学, 医学部, 教授 (70157874)
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研究分担者 |
野村 彰央 信州大学, 工学部, 教授 (00115362)
斉藤 覚 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (20175350)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 骨折修復 / 非破壊試験 / 超音波顕微鏡 / 力学特性 / 異方性 |
研究概要 |
骨組織の微少領域の力学的特性を測定する方法を確立する目的で、超音波顕微鏡(以下SAM)を用いて皮質骨および骨折部の音響的異方性の観察、および力学的特性の評価方法を検討した.骨組織のC-mode画像(音響インピーダンス(音速と密度の積)を反映した白黒濃淡画像)の観察と関心部位の超音波速度を測定した.音響的異方性は弾性表面波の音速測定に際し、スリットレンズを超音波レンズの前に取り付けこれを回転させ、0度と90度方向の音速を連続的に測定した.皮質骨の長軸と横軸方向の超音波速度の相違、すなわち音響的異方性を正常骨の骨単位(osteon)と骨折骨の仮骨部において観察した.ビーグル犬の健常脛骨皮質骨ののosteonの横断面では、新生骨部である中心管近傍osteonの音速が外側より200-300m/s程度低かった.しかし、音響的異方性はみられなかった.縦断面では中心管に平行な方向の音速がそれに直交する方向の音速より高かった.すなわち、加重方向の音速が横方向の音速より800-900m/s程度高かった.骨折脛骨では仮骨部では音速の異方性がほとんどみられなかったのに対し、元の皮質骨部では長軸方向の音速がそれに直交する方向の音速より高かった.今回のわれわれの研究で、骨組織の横断面と縦断面における音速分布の測定と異方性の観察が可能となった.つぎに、音響インピーダンス、密度、表面波速度、弾性係数の関係から、骨組織標本上で密度と弾性係数の分布を描出した.SAMを用いることで、今後、骨の微視的なモデリング、リモデリングの過程、あるいは骨の加齢的変化を材料学的観点から観察することが可能になると考えられる.
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