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1998 年度 実績報告書

生体内分解性高強度骨接合材としてのHA/ポリ-L-乳酸複合体に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09671487
研究機関京都大学

研究代表者

松末 吉隆  京都大学, 医学研究科, 講師 (30209548)

研究分担者 中村 孝志  京都大学, 医学研究科, 教授 (10201675)
キーワードresorbable / hydroxy apatite / poly-L-lactide / composite / fracture repair / bloactive / high strength
研究概要

圧縮成形法により作成された生体内分解性高強度HA/ポリ-L-乳酸複合体のin vitroおよびin vivoにおける曲げ強度、分子量、結晶化度を1年の長期にわたり測定した。また、家兎の骨髄内および皮下における組織学的検討を非脱灰・脱灰標本を用いてHE染色、Giemsa染色により観察した。また骨とインプラントの界面を走査電顕(SEM)透過電顕(TEM)により観察した。37℃燐酸バッファ一中及び家兎皮下における曲げ強度は、25週で200MPa以上を維持し52週では150MPaであった。非焼結HAとの複合体は、焼結HAのものよりアパタイトの析出が速く25週では表層のHAの脱落を認めた。曲げ強度は両者の間で、vitroとvivoともに25週までは差はなかったが、52週において非焼結HAとの複合体は、焼結HAのものより有意に強度は低下した。分子量は、8週で初期値の約45%で52週では約10%に低下し、非焼結HAのものは焼結HAに比べて有意に速く低下を示した。結晶化度は初期の約45%から速やかに上昇し、その後緩やかに52週まで上昇したが、52週では皮下において非焼結HAのものは焼結HACと比べて有意に高かった。SEMによる観察ではHA顆粒がロッドの表面から経時的に消失し、52週では表面は多孔性を示していた。TEMでの観察では、25週の骨内においてHA顆粒に繋がるコラーゲンやロッド表面での分解を示唆するHAの剥離を認めた。しかし、52週までにおいても、局所での表面的な分解の所見を認めるものの、細片化や脆弱化などの肉眼的な劣化は認めなかった。今後、分解過程を明らかにするためにさらに長期の研究が必要である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Y.Matsusue: "Tissue reaction of bioabsorbable ultra high strength poly(1-lactide)rod : A long term study in rabbits." Clin.Orthop.317. 246-253 (1995)

  • [文献書誌] Y.Matsusue: "Bioabsorbable Pin Fixation of Osteochondral Fragment of The Knee." Clin.Orthop.322. 166-173 (1996)

  • [文献書誌] Y.Matsusue: "A long-term clinical study on drawn poly-L-lactide implants in orthopaedic surgery" J.Long-term Eff.Med.Impl.7. 119-137 (1997)

  • [文献書誌] 古川 泰三: "高強度水酸アパタイト/ポリ-L-乳酸複合体 : 組織学的研究" 日整会誌. 71. S1747- (1997)

  • [文献書誌] 古川 泰三: "高強度アパタイト/ポリ-L-乳酸複合体-生体内吸収過程の評価" 日整会誌. 72 (8). S1594- (1998)

  • [文献書誌] 泰永 募: "高強度ハイドロキシアパタイト/ポリ-L-乳酸複合体と皮質骨表面と結合状態" 日整会誌. 72 (8). S1614- (1998)

  • [文献書誌] 松末 吉隆: "生体内分解吸収性材料(Plla成形体)" 整形外科適用材料臨床応用マニュアル,Orthopaedics, 140 (1995)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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