研究課題/領域番号 |
09671493
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
米延 策雄 大阪大学, 医学部, 助教授 (50127320)
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研究分担者 |
島田 幸造 大阪大学, 医学部, 助手 (00216061)
和田 英路 大阪大学, 医学部, 助手 (40273643)
荒木 敏之 大阪大学, 医学部, 助手 (70263275)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 末梢神経 / 神経再生 / シュワン細胞 / ninjurin / 接着因子 |
研究概要 |
ninjurin-2の機能解析を進めるためにRNAレベル、蛋白レベルの発現をラットを用いて検索した。ninjurin-2は主としてリンパ組織、造血組織に強い発現が見られた。中枢神経系ではRNA発現は弱くembryoではadultより強い発現が見られた。免疫組織化学的検索によりこれはninjurin-2蛋白のradial glia細胞における発現によるものであることが明らかとなった。末梢神経系では主として末梢神経節(三叉神経節、後根神経節)神経細胞において弱い発現が見られたが、ミエリンを形成するシュワン細胞には発現はほとんど見られなかった。末梢神経傷害後には、神経細胞においてもシュワン細胞においても発現の上昇が認められた。神経細胞での発現上昇はシュワン細胞よりも早く起こり、1-3日に発現のピークが認められた。 ninjurin-2発現vectorをトランスフェクションしたJurkatを用いたadhesion assayと合成ペプチドを用いた阻害実験を行った。その結果、ninjurin-2も細胞接着因子であることが確認され、その機能ドメインはN末端側の細胞外領域に存在することが明らかになった。ninjurin-2を過剰発現するchinese hamster ovary(CHO)cellとそうでないCHO cellの上で、後根神経細胞の初代培養を行った所、神経突起の進展はninjurin-2を発現するCHO cell上で促進されることがわかった。ninjurin-2は、正常な状態で既に末梢神経細胞に発現されているという点でninjurin-1とは対照的で、正常な状態でも何らかの機能を持つ可能性が考えられるが、神経傷害後にはninjurin-1と同様に発現が上昇し、homophilicな細胞接着を介して神経突起の進展を促進し、神経再生を促している可能性が示唆された。
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