研究概要 |
1.骨量測定 一般住民263名(男性130名、女性133名)を対象に骨量測定を行った。骨量測定は2年間以上にわたって縦断的に測定し、初期骨量値および骨量の変化率を算出した。また測定時に問診を行い、日常生活動作、カルシウム摂取習慣、骨折発生の既往歴について調査した。 2.ビタミンD受容体およびエストロゲン受容体遺伝子多型の解析 長期間(1〜4年)にわたって骨量測定をおこなった一般住民のうち、遺伝子解析の承諾を得た263例のビタミンD受容体(VDR)遺伝子多型についてはMorrisonらの方法に従いVDR遺伝子のイントロン8に存在する制限酵素Bsm I認識部位を含む825bpをPCR法にて増幅した。その後,Bsm Iを用いrestriction fragment length polymorphism(制限酵素断片長多型,RFLP)解析を行った。同時にエストローゲン受容体(ER)遺伝子多型は小林の報告にしたがい、ER遺伝子のPvuIIおよびXbaIの制限酵素切断部分をPCRで増幅し、RFLP解析を行った。 3.解析 初期骨量値および骨量変化率とVDR遺伝子多型およびER遺伝子多型の関係を、群間で比較した。同時に、生活習慣と骨量変化率との関係も検討した。 4.結果 骨量初期値は、統計学的に有意ではないものの、VDR遺伝子多型によって差を認めた。また骨量初期値、内分泌疾患の既往、骨折の有無が骨量変化率と有意な相関があった。
|