研究課題/領域番号 |
09671508
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
紺野 慎一 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (70254018)
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研究分担者 |
矢吹 省司 福島県立医科大学, 助手 (00260779)
菊地 臣一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80045773)
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キーワード | コンパートメント症候群 / 神経根 / 髄核 / 浮腫 |
研究概要 |
【方法】Sprague-Dawley系雌ラット29匹(200-250g)の左第5腰神経根とその後根神経節を対象とした。全身麻酔下に左第5腰神経根とその後根神経節を露出し、尾椎間板から採取した髄核を神経根上に設置した(髄核群)。対照は、手術創部の筋を同量採取して神経根上に設置した(対照群)。各群4匹では頚動脈にカテーテルを挿入し血圧をモニターしながら、以下の実験を行った。 実験1 (血流):レーザー・ドップラー血流計を用いて、髄核または筋の設置前から設置後3時間(n=10)、4時間(n=8)までの後根神経節の血流の変化を計測した。 実験2 (内圧):マイクロピペット法(先端径4μm)を用いて、髄核(n=7)または筋(n=4)設置前と設置後3時間における後根神経節の内圧を計測した。実験1と2の計測を終了後に、神経根と後根神経節を採取して組織学的検討を行った。統計学的検討には、ANOVAとStudent's paired t-testを用いた。 【結果】髄核または筋の採取、設置、および設置後の経過において血圧の明らかな変化は認められなかった。 実験1(血流):髄核群では、設置後2時間経過以降に血流の減少が認められた。その減少は設置前に比べて10-20%であった(p<0.01)。一方、対照群では、血流の変化は認められなかった。 実験2(内圧):設置前の内圧は、髄核群では2.6±1.2cmH20であり、対照群では2.1±0.6であった。設置後3時間の内圧は、髄核群では7.5±4.6であり、設置前の値と比較して有意に上昇していた(p<0.05)。対照群では設置後の値は2.0±0.8であり、設置前の値と比較して変化は認められなかった。 組織学的には、髄核群で後根神経節内に浮腫が認められた。また、症例によりaxonやmyelinの変化が髄核群で認められた。
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