研究概要 |
テ-パ-形状で単純丸棒形態のチタン合金製テストピースを作製し、その表面は実際の人工関節インプラントと同等のサンドブラストによる艶消し処理を行った。人工骨モデル(SAW BONE Foam Cortex TIBIA,Pacific Research Lab.Inc.)30本を各10本の3群(R群、U群、D群)にわけ、R群(ラスピング群)はラスピングしてから同サイズのテストピースを打ち込んだ。U群(0.5mm Under-reaming群)は、まずテストピースより半径において0.5mmだけ小さいラスプにて下穴を掘ってから、テストピースを打ち込んだ。D群(ダイレクトインサート群)は、細いスターターリ-マ-で刺入方向を方向づけしたのみで、テストピースを打ち込んだ。試験方法は、テストピース近位部に設けた側方孔を用いてテストピースを引き抜き、応力を付属のペンレコーダに記録した。 結果はR群で21.2±5.2kgf、U群で47±6.5kgf、D群で39.9±18.0kgfで、コンピューターにて統計処理を行い、R群とU群間、R群とD群間で1%以下の有意差を認めたが、U群とD群間では有意差を認めなかった。D群の骨モデルでは結果のばらつきが大きかったが、実験後の観察より、原因は槌打挿入の操作時に破損を生じている例があることがわかった。これは生体海綿骨のように湿潤環境でなく柔軟性がないことが原因と考え、現在豚新鮮骨を用いて実験中である。 上記実験と同時進行でビ-グル犬10匹の股関節レントゲンをゲージ付きで撮影し、それをもとに現在インプラントを作製中である。来年度に手術、結果解析を予定している。
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