テーパー形状で単純丸棒形態のチタン合金製テストピースを作製し、その表面は実際の人工関節インプラントと同等のサンドプラストによる艶消し処理を行った。豚凍結大腿骨24本を各8本の3群(R群、U群、D群)にわけ、R群(Line-to-line reaming群)はリーミングしてから同サイズのテストピースを打ち込んだ。U群(0.5mm Under-reaming群)は、まずリーマーにて下穴を掘ってから、半径において0.5mmだけ大きいテストピースを打ち込んだ。D群(Direct insertion群)は、細いスターターリーマーで刺入方向を方向づけしたのみで、テストピースを打ち込んだ。試験方法は、テストピース近位部に設けた側方孔を用いてテストピースを引き抜き、応力を付属のペンレコーダに記録した。結果はR群では34±16.5kgf、U群は43.6±12.6kgf.D群は56.3±1.6kgfで、コンピューターにて統計処理を行い、R群とD群間でのみ1%以下の有意差を認めた。U群とD群間については今後micro motionの計測を検討中である。 また、ビーグル犬10匹の股関節レントゲンをゲージ付きで撮影し、それをもとに実際の大腿骨ステムを作製したが、ステムの作製に予想外の時間を費やしたため、現在までに2匹のみに対して人工骨頭置換術を行い現在経過観察中である。来年度は症例数を増やし、インプラントのmicro motionの計測とポリエチレン粉による骨溶解に対する有用性を検討する予定である。
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