研究概要 |
実験1. 犬による腱鞘再建 in vivo study Bunnell法を犬の後肢4肢を用いてA_2pulley部で行い、術後10日、3週、6週後に深指屈筋腱と再建pulleyとの間の滑動抵抗を計測した。再建は第4趾の深指屈筋腱(intrasynovial)を用いて第2趾に、長腓骨筋腱(extrasynovial)を用いて第3趾に行い、対側の第2趾、第3趾をコントロールとした。 再建腱鞘と深指屈筋腱との間の滑動抵抗は術後10日屠殺モデルでコントロール19.7gに対し、intrasynovial再建モデル40.5g、extrasynovial再建モデル43.9gであった。術後3週屠殺モデルではコントロール18.8gに対し、intrasynovial再建モデル43,0g、extrasynovial再建モデル70.7gと、intrasynovial再建モデルでは術後10日屠殺モデルと同様の値であったのに対し、extrasynovial再建モデルで抵抗値が上昇していた。術後6週屠殺モデルではコントロール19.6gに対し、intrasynovial 再建モデル232.6g、extrasynovial再建モデル345.6gと、両群とも箸明に抵抗値が亢進し、特にextrasynovialモデルで顕著であった。 腱鞘再建術後何らかの変化が再建腱鞘内で起きていると推測されたが、術後患指機能に重要と言われている術後早期(3週まで)のリハビリテーションにはintrasynovial再建が有利と考えられた。 結果はJournal of Hand Surgeryにacceptされた。 実験2. 切断手による腱再建in vitro study 7中指(6切断手)のA_2pulleyと深趾屈筋腱(control)、第4趾の浅指屈筋腱(intrasynovial graft)、長掌筋腱(extrasynovial graft)、指伸筋腱の伸筋支帯より遠位部(extrasnovial graft)、指伸筋腱の伸筋支帯部(intrasynovial graft)との間の滑動抵抗を測定した。 Extrasynovial 移植モデルで抵抗値が有意に高値であった。 結果はJounal of Hand Surgeryにacceptされた。
|