研究課題/領域番号 |
09671518
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
池上 博泰 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00193186)
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研究分担者 |
高山 真一郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40138045)
石井 聖佳 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60255487)
仲尾 保志 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30188883)
堀内 行雄 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10138125)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | 免疫抑制 / 神経移植 / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
本研究では、マウス神経移植モデルを用いて、モノクローナル抗体による細胞接着分子ブロックの免疫抑制効果を検証した.また、プログラムフリーザーを用いて、Schwann細胞のviabilityを維持したまま神経組織を凍結保存できるかも検証した. マウスの坐骨神経を用いた同種神経移植において、抗ICAM-1抗体と抗LFA-1抗体を12日間投与した.投与抗体の血中濃度はFACSを用いて経時的に観察し、8週後に移植神経を採取して、拒絶反応や再生神経を組織学的に検索した.レシピエントの免疫反応は、9週で皮膚移植、12週で細胞傷害試験を行い検索した.新生ラットの坐骨神経を用いた神経保存実験では、凍結保護剤に浸した神経片をプログラムフリーザーで毎分-1℃ずつ-40℃まで冷却し、さらに80℃まで下げて、-196℃の液体窒素に移行して1週間保存した.解凍した神経は、組織学的に検索するとともに、細胞を培養系に移してviabilityを観察した. 投与した抗体は3週以内に消失していたが、抗体を投与したレシピエントでは8週を経ても拒絶反応は生じておらず、大量の再生神経が誘導された.皮膚移植や細胞傷害試験では、9〜12週のレシピエントは正常の免疫反応を示したが、移植神経のドナー抗原に対しては、特異的に免疫反応が抑制されていた.一方、プログラムフリーザーで緩徐に凍結保存した神経片は、神経組織の構造が良好に保たれて、分離した細胞からSchwann細胞が培養された. 短期間のモノクローナル抗体による細胞接着分子のブロックが特異的トレランスを誘導し、同種神経移植で大量の再生神経を誘導できることがわかった.また、プログラムフリーザーを用いることで、Schwann細胞のviabilityを維持したまま、神経片を長期間凍結保存できることも判明した.
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